高校のとき世界史を習っていない私にとって、ローマ帝国というのは中学の歴史の時間に年表の下のほうに書いてある国名のところでしかみたことのない、非常に印象の薄いものでしたた。でも、なぜかこの題名に惹かれておもわず買ってしまった本です。ほんとうは、歴史嫌いなのにねえ。
しかし、この本は文句なしに面白い!
なんといっても、著者の深い洞察により、歴史の教科書の記述とは違い、生き生きとした、はるか昔の人の生活が思い浮かべることができる。まるで、ローマ帝国が今、実在してその見聞録を読んでいるような錯覚を受けるほどだ。
この著者は、今、「ローマ人の物語」(全15巻、8巻まで既刊)を執筆中らしいのですが、思わずそっちのほうも読みたくなりました。
書名 | ローマ人への20の質問 |
著者 | 塩野七生 |
種別 | 文春新書 |
出版社 | 文藝春秋 |
値段 | 690円 |
ISBN | 4-16-660082-6 |
柳沢教授が今回ははるか遠くの広大な草原の国のモンゴルに行きます。
教授と教え子二人の3人でモンゴルの草原で様々なことに出会います。今回は教授が脇役にまわって、主人公は教え子二人なわけですが、やはり教授は渋くいい味をだしてます。モンゴルの大地で困っていると教授そっくりの顔をしたモンゴル人に助けてもらい家に泊めてもらいます。そこでは、教え子の一人が牧羊を学ぼうとします。大地がその豊かさと怖さの両面を見せます。
そして、教授はいつものように真剣に現実の矛盾を考え新しい世界を発見する喜びを見出します。
最後のシーンで教授が教え子二人の未来のために、モンゴルの風習にしたがって祈っている.....
とっても印象的でした。
書名 | 天才 柳沢教授の生活(15) |
著者 | 山下和美 |
種別 | モーニングKC |
出版社 | 講談社 |
値段 | 457円 |
ISBN | 4-06-300218-7 |
何年前のことになるのだろうか。
とある人と話をしていたときのことである。その人はこのようなことを語った。
「人間の好きな自然は人間に都合のよい自然だけだ」
Azzzにとってそれは少し衝撃的であった。
さて、この本は山岳月刊誌「岳人」誌上に連載された「危機に立つ山岳環境----自然破壊探検記」という題名で連載されていたものだそうである。内容としては実際に山でおきている様々な問題がかいてある。私も含めて多くの登山者には見えないもう一つの壊されて行く山の姿である。
多くの場合、ヤケクソな議論になっていくことの多い「自然をいかにして使っていくか」という問題に対して、本書では問題の本質は自然のオーバーユース(つかいすぎ)にあるという視点でみている。自然を保護するために人を山に入れないのではなくて、自然が維持できるようにしか人をいれないという考え方である。そのためか、問題の解決に対する案も過激なモノは少なく現実的なモノが多く感じる。紹介されているすべての事例のところへは著者が足を運んだと書いているので、描写も信頼できる。
山を愛するなら一度は読んでほしいと思う。
書名 | 日本の山を殺すな! |
著者 | 石川徹也 |
種別 | 宝島社新書 |
出版社 | 宝島社 |
値段 | 660円 |
ISBN | 4-7966-1671-3 |
現代美術っていうと「わけわからん」といった反応を示す人がほとんどではないのでしょうか。私もこの本に出会うまではその通りだったんだ。それは、現代美術が見る人に「何らかの感覚」を引き起こすのを主眼としているのを知らなかったことが大きいというのが、理解不能をひきおこしていたような気がする。
この本は現代美術というわけのわからんものを、わけのわからんまま、現代美術の世界をのぞいてみない?という軽いお誘いの本です。そして、著者の視点をすこし借りて、ちょっと現代美術を分かった気になってみようよ。といった本当の入門書です。なによりも、この本の一番ありがたい点は、絵や彫刻がすべてカラーで掲載されているってこと。けっこう美術系の解説本って一部作品以外は白黒っていうのが多い気がするんだけど、そういうのって、元の作品を画集なり現物なりでみていないと、ぜんぜんその作品のイメージがわかないんだよな。でも、これはほとんどカラーで載せてあるから作品の雰囲気がわかっていい!!すごくいい!!
現代美術に興味があるけど、ちょっと入り口が......という人にはうってつけの本って言えるね。
書名 | なぜ、これがアートなの |
著者 | アメリア・アレナス |
訳者 | 福のりこ |
出版社 | 淡交社 |
値段 | 2500円 |
ISBN | 4-473-01578-5 |